シワ タルミ フェイスリフトの医学

●手術の遍歴

シワ伸ばし、タルミ除去は美容外科医療の中では古くからある治療です。昔は表面の皮だけを切り取って引っ張るだけでした。また、医師によっても方法が多種多様で、ある意味自己流が通用してしまう手術でした。例えば、耳の前方を「木の葉型」にカットして皮膚だけを縫い縮める方法など。実はこの方法で行っていたクリニックは多く、今でもこれしか行わないクリニックも稀に存在します。この場合腫れは殆ど無いのですが、すぐに(約半年で)戻ってしまうのが弱点です。現在は方法がほぼ確立しており、クリニックによる差はどこの層まで切開しどこまで剥離するか、どの様に縫合するのかです。また、手術後の圧迫もクリニックによって様々です。

● (スマス、ギャレイア浅層)筋膜様組織

1980年代後半からこれらが注目されてきました。分かり易く言うと深い層からのリフトです。手術でここまで辿り着くのには高い技術が必要です。薄く丁寧に剥離する技術が必須だからです。特に顔面は血管が豊富なので乱暴に行うと大出血を起こし、この層を発見できません。これを何層かに分けて分離し一枚ずつ余分な所は切り捨て、合わせて行きます。深い層からリフトをすると10年は効果が持続しますので根本治療に近いものがあります。フェイスリフトで勘違いしてはいけないのは50代は10代にはなれないということです。いくらでも若く出来るものではありません。せいぜい10〜良くて20歳くらい若返った見た目になります。この手術は歳を取れば取る程劇的に変わるのです。40代の場合5〜ギリギリ10歳くらい若返った見た目になります。私の手がけたケースですが80代が40代の見た目になった方がいます!

●縫合法、術後圧迫、アフターケア

縫合方法も医師の力量により様々です。私は一つ一つ縫合しその都度評価します。ツレが出ていないか、きちんと引き上げ効果が出ているか、不自然ではないか、左右対称か、など。場合によってはベッドを起こして重力の影響を計算し、評価します。縫合は髪の毛よりも細い糸でミリ単位で行います。最後の縫合が終了したら直ちに専用圧迫バンデージを巻きます。これは術後の腫れを防ぎ患部の安静を保つのに重要です。私はこれを自らの手で行います。クリニックによってはナースが適当に包帯を巻いたり既製品の圧迫マスクの様なものを着ける所も多いのですが、私はここまでやるのが治療である!と信念を持って行っています。かなりガッチリ圧迫しますが3日間我慢して下さい。3日後はシャンプーして構いません。これはしっかりとした手術手技、圧迫法により初めて実現可能です。術後、抜糸が済み、定期検診が済んだ頃はスキンケアをお勧めしています。皮膚そのものが若返らないと本当の意味での完成になりません。若返り細胞活性注射や細胞活性の基礎化粧品、超音波美顔機を取り揃えているので是非使用してみてください。

● 糸のリフト

2000年に入り大きく取り上げられるようになった方法です。糸のみでタルんでしまった組織を持ち上げる方法です。糸の通し方は様々。クリニックによって切磋琢磨しているのがこの分野です。これをあえて行っていないクリニックもあります。マニュアルは外国(白人)なのでその通りに行うと日本人にはオカシイのです。肌質と美意識の違いです。妙に引き連れたり歪んで見える事が多々あるようです。この方法単独で行うとそうなるリスクは高まります。余計な皮は何処へ行くのでしょう?それが術後、歪みや引き連れになることがあります。私は切るリフト等と併用して行う事をお勧めしています。しかし、どうしても糸のみで!という方には術後数回来院してもらい歪みや引き連れが無いかチェックし術後に軽い処置を行っています。この方法を行う事により結果はほぼ満足できるものになっています。糸のみのリフトは「自分しか分からない変化」だと思って下さると良いと思います。持続は5年位と言われています。

●シワ、タルミ取り手術の弊害

先ずよく聞かれるのが傷跡がケロイド状に残ってしまったケース。これは乱暴な縫合操作によるものと、術後の強い消毒によるものが原因で起こります。美容外科の場合、髪の毛よりも細い糸でミリ単位での縫合が必須なのですが、医師によってはガバッと太い糸で大きく間を開けて縫合する者がいるのです。また、手術後は強い消毒を付けると薬品焼けを起こし、せっかく傷が治ろうとして作った新しい細胞を殺してしまう事になります。細い糸で細かく縫合して行けば傷はまず開かず、消毒も不要なのです。私は丁寧に縫合しますので基本的に消毒は不要と考えています、理由は先述の通り。目玉に入れてシミるものは傷に塗ってはいけないのです。日本の場合浄水技術が進んでいますから、私は患者様に水道水で染み出たリンパ液や古い血液を洗い流すだけで充分だと説明しています。 次に、顔面神経麻痺が起きたケース。これは、あろうことか神経自体を切除してしまったが故に起きた結果です。こうなってしまったら元には戻せません。術後暫く皮膚の感覚が鈍いのはありますが、感覚は週単位で戻って来ます。しかし、麻痺となると話は違います。脳梗塞などで片半身が麻痺してしまった方の様な風貌になります。健康な人がより良くなる為に美容整形を受けたのに、残念な結果です。顔面の解剖に精通した医師を選ぶのはとても重要です!